就労継続支援B型とは

B型イメージ
就労継続支援B型は、年齢や体力などの面で会社と雇用契約を結んで労働することが難しい方へ雇用契約を結ばずに働く場所を提供する障害福祉サービスの一つです。仕事を行うことで報酬(工賃)をもらいながら一般就労に向けた技術の向上や知識を得られるのがメリットです。

事業所と雇用契約を結ばずに働くため最低賃金などは保証されませんが、そのかわりに比較的に自由な働き方が出来ます。

就労継続支援B型の事業所は厚生労働省のデータ(2016年)で全国に1万214事業所あり、利用者数は25万2597人います。

参考厚生労働省 「社会福祉施設等調査」

どんな人が利用できるのか

対象者は身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病のある方で以下の条件に当てはまる方となります。

「就労移行支援事業所等を利用したが、一般企業等の雇用に結びつかない者や、一定年齢に達している者などであって、就労の機会等を通じ、生産活動にかかる知識及び能力の向上や維持が期待される者」

具体的には「就労移行支援事業を利用した結果、B型の利用が適当と判断された方」や「一般企業やA型事業所による雇用の場が乏しい地域、または、就労移行支援事業者が少ない地域において、協議会などからの意見に基づいて一般就職への移行が困難と市区町村が判断した方」など。

障がい者手帳がなくても医師の診断や定期的な通院があれば自治体の判断によって入所可能な場合もありますので市区町村の窓口に問い合わせてみると良いでしょう。

就労継続支援A型の場合、年齢制限があり18歳〜65歳未満の方を対象としていますが就労継続支援B型には年齢制限がないので高齢の方でも利用可能です。

仕事内容について

事業所によって仕事内容は異なりますが、一般軽作業、工場軽作業、清掃作業、農作業、パソコン作業、その他作業など様々な仕事があります。

就労継続支援B型の工賃について

工賃は事業所ごとに異なりますが、一日通うごとに1000円など決められた額が支払われる場合作業により生産された仕事の出来高に応じて支払われる場合があります。

工賃の平均額は1万5295円(2016年度)となっていて、時給換算で199円と最低賃金を大きく下回る額となっています。近年は工賃アップの取り組みが行われていることから2006年度の1万2222円、2014年度の1万4838円と比べて徐々にですが増加傾向となっています。

参考平均工賃(賃金)月額の実績について

利用料は?

就労継続支援B型事業所を利用するに当たっては利用日数と世帯の収入状況によって利用料が変わってきます。通所日数が多いほど利用料も高くなりますが、世帯収入による負担上限月額が決まっています。

  • 生活保護受給世帯 : 0円
  • 市町村民税非課税世帯(注1) : 0円
  • 市町村民税課税世帯(所得割16万円(注2)未満)(一般1) : 9,300円
    ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます(注3)
  • 上記以外 (一般2): 37,200円

(注1)3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
(注2)収入が概ね600万円以下の世帯が対象になります。
(注3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。

参考障害者の利用者負担(厚生労働省)

申込み方法は?

就労継続支援B型の事業所を利用したい場合は、お住まいの市区町村の障がい福祉窓口ハローワークで相談するかWebサイトなどで検索すると良いでしょう。
もし通院している場合は、病院やクリニックでおすすめの事業所を紹介してくれる可能性もあります。

気になる事業所が見つかったら見学を申し込んでみると良いでしょう。面談や体験入所をさせてもらえる事業所もあるので実際の仕事や事業所の雰囲気を確認した上で利用するかどうかを判断するのが良いです。

自分に合った就労継続支援B型事業所を選ぶポイント

作業内容や条件は事業所ごとに異なり、自分には合わない事業所も中にはあるでしょう。

一日数時間や週数日の勤務でも利用可能な事業所はあるので、自分が続けて働くことができそうか一日のスケジュールや仕事内容、工賃また食事、送迎などのサービスの有無について見学や体験入所などでチェックしておく必要があります。

事業所によってはサービスされる昼食だけを目的に通っている人がいたり、働くことよりもそこにいる仲間に会いに来ることが目的になっている人が多い事業所などもあり、働いて社会復帰の足がかりにしたいという目的にそぐわない事業所もあるのが現実です。

就労継続支援B型事業所で働くことにより、工賃をもらいながら学んで、それをもとに一般就労に向けて頑張れる環境が整っているかどうかを選ぶポイントにするようにしたいですね。

就労継続支援B型についてのまとめ

就労継続支援B型についてまとめると、障害福祉サービスの一つで雇用契約を結ばずに働くので比較的負担なく個々の障がいや健康状態に合わせて自分のペースで働けるメリットはあるものの、最低賃金は保障されないため報酬(工賃)は少なくなってしまいます。

障がいや難病で働けなかった期間が長かったりする場合は社会復帰への足がかりとして有益なサービスですので、興味を持たれた方は市町村の障がい福祉窓口で聞いてみたり、主治医に相談して事業所を紹介してもらうと良いでしょう。